ご主人を探して!


街設定:ラパス
・街の規模:大都市
・特産品:鐙(特産品小 美しい) 鞍(特産品中 かわいいor美しい) 蹄鉄(特産品小)
・街の音:商人たちや旅人の馬車の音。楽しそうな人々のざわめき。
城壁に囲まれた大きな都市。王都でもあり、多くのものと情報がここに集まる。
北側に王城、街の入り口付近に商業地区、中心部に住宅地がある。
また、馬に乗るものや馬車を使うものが多く、馬を飾る装備や鞍などを加工するアトリエなどもある。実際、広い町の中を移動するために馬車を使うものもいる。


【オープニング】
・時間:昼 天候:雨 地形:草原
・五感に感じること
 雨独特の湿った匂い。大きな大樹。
 大樹の下にある、小さな木箱。木箱は雑なつくりで、隙間が空いている。
草原の道を歩いていた一行は、もう少しで街につくというところで突如雨に降られ、大きな木を見つける。
コンディションチェック、草原+雨旅歩きチェック。
雨をしのいで大きな木に向かうと、そこには小さな木箱が。
木箱を開けると、中からはかわいらしい子犬が出てきた。
「ご主人! あ、ご主人じゃなかった…」としょんぼりする子犬。知力+知力7で、忠犬という幻獣の一種である犬であることがわかる。
忠犬は名を「ぽちたろう」であると名乗り、旅人だったご主人と旅をしていたという。だが、デオに行こうとした矢先気付いたら箱に入れられ、ずっと眠っていたらしい。PLにはわからないが、冬魔法「フユノネムリ」で眠らされていた。
「洞窟に行くっていってたのは覚えてるよ。でも、なんでおいてかれちゃったのかなあ……」
木箱の中には「この子をよろしくお願いします」というメモと、600×(旅人の人数)Gが入っている。
話している間に雨が止む。ヒーラーのPCがいた場合、道中ぽちたろうは「似てる匂いがするー」とそのキャラの周りをうろつく。

【アクト1:ご主人さがし】
・時間:夕方 天候:晴 地形:草原
雨が止んだので街についた一行。街でぽちたろうのご主人を探すことに。
ぽちたろうがおぼえているご主人の特徴は、「はっぱやおはなのにおい」のみ。……犬だからな。
 酒場
  マスターやほかの旅人に洞窟について尋ねると、西の荒野に洞窟があると聞かされる。
  ただ、中には凶暴なモンスターがいるらしい。(Lv1の旅人だった場合)お前たちじゃ勝てない、出会ったら隠れるとかするんだな、と言われる。
 宿屋
  女将や他の旅人にぽちたろうの主人について尋ねると、数日前に洞窟に旅だった、ということを聞ける。
  また、ここで「ハーブボトルを持ってたし、薬草を扱う職業だったのかも」ということが聞ける。
 ヒーリングハーブの店
  ヒーリングハーブの店の前に行くと、ぽちたろうが「おんなじにおい!」と反応する。
  店主から、洞窟に行くために、ここでハーブを買った男がいるということを聞ける。

【アクト2:洞窟へ行こう】
・時間:朝〜夕 天候:雨 地形:荒野
洞窟へは岩場の道を歩けば(順調なら)夕方ごろにつく。荒野+雨で旅歩きチェック。街道はないので、方向チェックが必要。
休むなら野営チェック。

【アクト3:洞窟の中へ】
・時間:朝
・五感に感じること
 薄暗い洞窟。生臭い刺激臭。
 自分たちを狙う赤い目。
洞窟の中ではぽちたろうが匂いをかぎ分けて先導する。
しばらく歩くと、ヘルハウンドと遭遇する。戦ってもいいし、逃げても構わない。
戦闘する場合、ぽちたろうは誰か1名に対して特殊能力を使用できる。

【アクト4:ご主人】
・五感に感じること
 牙で噛まれたらしく、足や腕に穴が開いた黒髪の美しい青年。血なまぐさいにおい。割れたガラスと枯れたハーブ。
 彼の忠実な友人の、心配そうな声。
ヘルハウンドを倒すor逃走して奥へ進むと、倒れている人物を見かける。ぽちたろうは真っ先に駆け寄る。
近くへ駆け寄ると、それは黒髪の男性だった。ハーブボトルを持っていて、確かにヒーラーらしき様相だ。
ただ、そのハーブボトルは割れ、足や腕からはひどく流血している。ヘルハウンドに襲われ、逃げてきたもこと切れたのだろう。
ぽちたろうは主人を「おきておきて」とゆするが、当然目を開く様子はない。
ぽちたろうに彼が死んでいるということを伝えても、『死んだって、どういうこと?』と首をかしげる。死の概念がわからないようだ。
「……お昼寝するなら、ぼくがご主人を守ります。ご主人が起きるまで、ここにいます」ぽちたろうはそう言って、主人の亡骸に寄り添う。

【アクト4-サブ:ヒーラーが求めたもの】
・時間:夜
・五感に感じること
 先ほど見たものを想起させる赤い花畑。
洞窟をさらに奥へ進むと、沼地が広がっていた。
そこにはアカツキ紅花が一面に咲いていた。とても美しいが、先ほど見た光景を思い出してしまうかもしれない。
望むなら採取しても構わない。また、帰るときは洞窟の中を通らない場合湿地を通ることになり、街までさらに半日かかる。

【エンディング:帰り道】
ぽちたろうは動かない。何を言っても動かない。ただ大好きなご主人が起きるかもしれないという叶うことない望みを持ち、主人のそばに寄り添う。
ヘルハウンドは寝床に戻ったのか、どこかへ行ってしまった。
旅人たちは帰路をたどるのみ。またそれぞれの道を歩むのみ。






【作者より】
猫派だけど忠犬かわいすぎたやばい。
ラストはかなり丸投げしてますが、ぽちたろうの説得は非常に難しいです。別に主人のもとに送ってやる(意味深)って選択もありですよ?
描いた本人がセッションした時はRPにひきずられて説得に成功ということにさせましたが……どこまでねばらせるかは、GMの裁量にお任せします。 また、移動チェック地形を変更することで難易度の変更も可能です。岩場だとLv1旅人には少し厳しくなるので注意を。

ぽちたろうについて
ラストについてだが、ぽちたろうは死の概念を理解していない。あくまでも眠っているだけで、その眠りを守ろうと思っている。
もし説得せずに主人の体を埋葬してやろうとするもんなら、「ご主人が苦しいです、やめてください!」と必死になっていやがるだろう。もしかしたら、戦闘になることもあるかもしれない。